活動報告
<新会員卓話> 前 川 静 子 会員
<新会員卓話> 前 川 静 子 会員
昨年6月に入会させていただきました、前川静子でございます。入会させていただきまして、早8ヶ月に入りました。まだまだ解らないことの連続でございます。ご紹介して下さった佐久間先生、髙橋仁子様はじめ、新参者の私を迎えて下さる皆様方に、感謝申し上げます。
本日は私の家族、事業、趣味等についてお話させていただきたいと思います。
横須賀の地から離れた事のない私は、年の近い弟二人の長女として、昭和19年11月3日に誕生しました。父は軍人で留守にしていましたので、家を守る母方の実家、海軍御用商人の、和菓子屋を営んでいた祖父母、叔母達は私に何かあったら父に申し訳がたたないと、大変な気遣いの中11月3日文化の日、明治節の私の無事の誕生に大いに喜んだと聞いております。
鶴岡八幡宮で命名。静子の静は静御前の静だそうで、名前負けしたのでしょうか、幼少のころから病弱の為、改めて呼名を加津子といただきまして、現在も続いております。小学校3年まで横須賀学院に在学しておりました。佐久間先生も同じ学院に行っていらしたとお聞きして、先日思い出話で盛り上がり、下校時引き潮の時には岩場に下りてヒトデや美しい貝拾いに時間も忘れ夢中になっていた当時の思い出が蘇りました。又、埋め立てとともに廃止となった三笠橋もなじみ深い橋でございました。
私は30年前より有限会社理容前川、15年ほど前より有限会社信秀理企という2つの会社を次男と共に経営しております。事業内容は共に理容業で、昭和58年に大滝町で「とこや」という店名の理髪店を初めて出店してから現在まで、横須賀に10店、東神奈川、川崎(新丸子)東京(四谷3丁目)千葉(五井)と14店をやらせていただいております。
社名であります、「信秀理企」は理容美容関係で信頼をおいている、今下先生につけて頂いた名前で、信は信用の信、事業で一番大切なのは信用であるという意味、秀は秀でる。即ち技術でもサービスでも秀でていなければならないということ、理は理髪の理、企は企業の意味です。今後も、社名にふさわしく皆様に信用されすぐれた技術とサービスを提供出来る理髪店を目指し、日々努力していかなければと思います。現在は名付け親で参謀であった先生は他界なされ、このお話をさせていただいている今、新たに心が引き締まる思いであります。
私は41才の頃理容学校の通信科に通い8科目の国家試験は合格しましたが技術者として一人前になるには、あと5年から10年かかり、以前から母も職人にはしたくないと申しておりましたので、次男と私、二人で経営にあたっております。現在14店舗を技術者約50名アシスタントとアルバイト約50名で運営し、月に一度店長会議を開き売上の見直し、サービスの向上に努めています。例えば、お客さまにとって嫌な事のひとつが待たされることだと思います。その為に長くお待たせしない工夫として、各店の状況を常にチェックし各店舗の間で応援に駆け付ける体制を取っております。スタッフ一人ひとりに感謝の気持ちを持ち、コミュニケーションを図るために、お給料は振り込みですが、給料日には明細書を持って廻るようにしています。スタッフの中には丁寧な接客ができない者もおり苦労致します。「おもてなし」という言葉が流行っているようですが、接客の基本にも「おもてなし」という言葉が当てはまると思います。お客様を「おもてなし」するつもりで全スタッフが接客できるよう、根気よく指導していかなければと思っています。笑顔での挨拶、明るい返事、上下関係のけじめ、我慢する事等が浸透するように努力しております。
子供たちが家を出、母が亡くなってからは私一人の生活でございましたが母の三人姉妹の末っ子の叔母を3年ほど前から引き取っております。高校教師をしていました叔母は定年後、太極拳講師を続け光り輝いていましたが、今は体の自由が利かなくなり私が家で介護に当たっています。今は安心した顔をしております。
ここからはわたくしの趣味の話をさせて頂きたいと思います。
子供の頃、母、叔母達がそれぞれ生け花を致しておりまして私もその環境の中、中学の部活から華道部に入りました。高校の時は池坊の華道部の部長を楽しんでおりました。
長男が誕生した後、ある御縁で小原流の朝倉先生を紹介され、新しい魅力に取りつかれ、又先生のお人柄にも引かれて、34年に渡り可愛がっていただきました。小原流のいけ花を始め、3年してからは表千家のお茶も教えていただく事になり今日に至っております。
桃山時代の千利休から始まった茶道は厳しく合理的で学べば学ぶほどその深みと楽しさを味わって居ります。忙しい中で着物を着て座わって、お茶の点前をする時、むずかしさも乗り越えて、楽しく心が落ち着きます。勿論お茶と美味しい和菓子も魅力です。利休時代から続く釜や茶碗、竹の花入などの作者の話も聞
く事が出来ます。毎月変わる床間の掛け軸は京都の大徳寺、妙心寺の住職様や表千家の宗匠方のお筆になるものでこれもむずかしいのですが読んでいただいて覚えます。お茶の楽しみの半分は道具で楽焼、唐津焼、備前など渋いものから色絵の茶碗又、漆塗りに蒔絵の茶器など美しい道具をお稽古時に使わせていただくのも大きな喜びです。
おもてなしこそ茶道の根本です。亭主は心から精一杯客をもてなすために、露地、茶室、道具、掛け軸、花、菓子等をととのえ、心を込めてお茶を点てお客に勧めます。お客は亭主の心を込めたおもてなしに感謝しつつ、一期一会の茶会を楽しむのです。茶道、華道も生活の一部でして、癒され充実した時を持つ事が出来ております。
日本のいけ花は、自然をとりいれ季節感を大切にするところに、飾り花である欧米のフラワーアレンジメントとは異なる点があります。いけ花は自然を、そして植物の世界を花器の中に再現する伝統芸術です。フラワーアレンジメントは円形をはじめ、いろいろなスタイルがありますが、いけ花は基本的に三角形から成り立っています。
皆様はいけ花の形について天(てん)・地(ち)・人(じん)という三点が基本ということをお聞きになったことがあると思います。この三点は流派によって別の名前、例えば小原流では主枝・副枝・客枝と呼び、池坊では真(しん)・副(そえ)・体(たい)という三点を基本に形づくられています。
展覧会への出品や、セントラルホテルのロビーにも、2ヶ月に1度花を生けて、皆様に楽しんでいただいております。
お茶といけ花は心を癒してくれる大切な時間として、これからも続けてゆくつもりです。又、若い方達に茶道といけ花を伝えてゆくことにも努力してゆきたいと思っております。
長々と思いつくままに話をさせて頂き、お聞き苦しい点も多々あったと思いますがお許しくださいませ。
横須賀ロータリークラブに入会させていただきましたこと、嬉しく、光栄で御座います。今後もロータリークラブのモットーに添うべく、努めて参る所存でございますので、ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
最後に私の好きな言葉を紹介させていただきます。「人生は楽しい。考え方一つで人生は変わる。」
御静聴を感謝致します。ありがとうございました。