活動報告
<卓話>2013年・2014年飛鳥Ⅱ世界一周クルーズについて
上 原 英 雄 会員
2013年は4月3日に横浜港を出港して、7月16日横浜入港までの104日間の長い航海でした。
2014年は3月12日に横浜を出港して、7月1日横浜入港まで111日間にわたる更に長い航海でした。ただし、2013年と2014年は全く違うコースをめぐるクルージングで、2013年はアドリア海とエーゲ海を中心とする地中海クルーズで、2014年は北欧を中心としたフィヨルドとガラパゴス諸島をめぐる五大陸制覇の旅でした。2013年・2014年ともに12階の展望大浴場に近く、各アクティビティが行われた会場にも近い9階の最後尾のバルコニー付のキャビンでした。毎朝5時半に起床し甲板を10周する約4.5キロのウォーキングに始まり、午前中は様々なゲームなどのアクティビティ、コントラクト・ブリッジや社交ダンスのレッスン等にも参加し、午後は午後でブリッジやダンスのレッスンにも参加し、夜は午後8時から毎晩のようにショー・タイムがあり、おおいに忙しい毎日。全く退屈することのない毎日でした。
2013年の最初の寄港地はシンガポールで、マーライオンをはじめ、マリーナ・ベイ・サンズの57階の展望台に登り、360度の視界を楽しみ大興奮でした。4月20日にはフランス領レ・ユニオン島(別名:サンドニ島)に上陸し、火山の島で月面大地があり標高2100メートルの火山展望台に登り眺めを堪能しました。4月26日には、南アフリカのケープタウンに到着し、大航海を象徴するスポット・喜望峰をめぐりインド洋と大西洋の色の違いにビックリ。
インド洋はコバルト・グリーンで大西洋はコバルト・ブルーでした。ケープタウン名物のテーブル・マウンテンは船から正面に見え感動しました。4月29日にはウォルビス・ベイに入港。ウォルビス・ベイとは「鯨の港」という意味だそうです。5月7日にはセネガルのダカールに到着し、巨大なバオバブの木に遭遇しました。有名なパリ・ダカールラリーの終着点です。5月11日にはモロッコのカサブランカに到着し、ハッサン2世モスクのミナレット(尖塔)の高さは約200メートルでそびえ立つ感じでした。世界遺産のアル・ジャディーダの旧市街地を城壁が取り囲んでいました。その中の建造物は目を見張るものがありました。5月14日にはスペインのバルセロナに到着し何と言ってもガウディーの未完サグラダ・ファミリア教会に圧倒されました。5月16日にイタリアのナポリに着き、5月19日早朝にベニスに入港しサンタ・マリア・デラ・サルーテ聖堂・サンマルコ広場・ドゥカーレ宮殿。
次は、アドリア海の真珠と言われたクロアチアのドブロブニクへ入港、オレンジ色の屋根と白い壁が美しいところでした。5月24日にはトルコのイスタンブールに到着、青と白のタイルが美しいブルーモスクや聖母マリアとイスラム教が同居するビザンチン建築の傑作アヤ・ソフィアを見学。また東西の架け橋であるボスポラス海峡にかかるボスポラス大橋を見物しました。いよいよエーゲ海に入り5月27日にピレウス、5月28日には青い海と白い街並みが美しいエーゲ海のリゾート、ミコノス島に到着し沖合で停泊。島のシンボルであるカド・ミリの風車を間近で見物し大満足でした。いよいよ地中海クルーズの最終目的地6月2日にリスボンに到着しジェロニモス修道院や発見のモニュメント、シントラの世界遺産を見物しました。これからは大西洋を横断しアメリカ大陸へ。最初に訪れたのは6月10日に到着したボストンでした。ボストン名物のロブスターを堪能しハーバード大学を訪問しました。6月12日にはニューヨークを訪れました。摩天楼の街・全米最大のゴシック様式のカトリック教会であるセント・パトリック教会をまず見学し、続いてロック・フェラー・センター70階の展望台「トップ・オブ・ザ・ロック」の素晴らしい眺めに感動しました。6月17日にはフロリダ最南端 キーウエストに到着、アメリカ本土最南端のサザン・モスト・ポイントを見学し、ヘミングウエイの家やリトルホワイトハウスの中庭でカクテルタイムを過ごし、オーバーシーズ・ハイウェイで最長のセブンマイルブリッジをドライブしました。6月19日にはメキシコのプラヤ・デル・カルメンにてマヤ文明の最高神で羽毛のある蛇の姿をした神ククルカンをまつるピラミッドを見学。
6月22日にはコロンのクリストバルに到着し6月23日には後半のハイライトとなるパナマ運河の通航、こんなに狭いところを飛鳥Ⅱが通れるのかと思うようなところを無事に通過しました。6月27日にはメキシコ最大の保養地アカプルコに到着、客船ターミナルのすぐそばの高台にあるサンディエゴ要塞を見学し地元ガイドに旧市街地を案内してもらいました。7月6日には最後の寄港地ホノルルに到着、カメハメハ大王像を見学しワイキキの浜辺を散歩しながらダイヤモンドヘッドの景色に見とれてしまいました。
2014年は3月12日に横浜を出港し3月18日に太平洋戦争の激戦地、天皇皇后両陛下も訪れたパラオに到着しました。水深数メートルの真っ青な美しい海で戦闘機の残骸を見たときは戦争の悲惨さに思わず合掌しました。島民は非常に親日的で日本名で太郎や花子等のネームの人がたくさんいました。3月22日にはコモド島に上陸。地球上最後の恐竜と言われるコモドドラゴンは体長3メートルもあり、また非常に珍し
く雄同士の交尾でも子供が生まれるそうですが、雄が生まれた雌との交尾でしか雌が生まれないので雌のコモドドラゴンは今は絶滅危惧種になっているそうです。生まれてから3年間は木の上で育ち、その後地上で生活するそうです。弱肉強食の恐竜時代の習性でしょう。4月5日にはモーリシャス島のポートルイスに入港、人間が乗っても沈まないようなオオオニバスの池を見物しました。ナポレオンが流されたという絶海の孤島セントヘレナ島を遠望し4月24日にはスペイン領カナリア諸島テネリフェに入港しイベリコ豚の生ハムに舌鼓をうち、周辺にはジャカランダの紫色の花が咲き乱れ大変美しかったです。4月30日にはフランスのシェルブールに入港し、オプショナルツアーでモンサンミッシェルを訪れ名物のオムレツを味わいました。更に5月1日にはイギリスのサザンプトンに入港しオプショナルツアーでノーザン・ベル号に乗車しロンドンへ向かいました。5月3日にはベルギーのアントワープに到着。5月7日にはポーランドのグディニアに到着し、オプショナルツアーでアウシュビッツ収容所を見学し暗い気持ちになりました。5月9日にはロシアのサンクトペテルブルグに到着、エルミタージュ美術館・赤の広場・武器庫なども見学しました。5月12日にはスウェーデンのストックホルムに到着し、「黄金の間」でのアペリティフタイムを楽しみ、同乗したノーベル物理学賞受賞者の根岸英一さんと一緒に、根岸さんが受賞した時と全く同じメニューのノーベル・ディナーを堪能しましたが、それはそれは壮観でした。オプショナルツアーでフロム鉄道という山岳列車に乗りいよいよフィヨルドの旅への出発です。5月17日にはガイランゲルフィヨルドを通航し、雪をいただいた山々や無数の滝が流れ落ちるフィヨルドの景観は素晴らしく神の存在を感じざるを得ませんでした。5月21日にはアイスランドに到着し200を超える雄大な氷河、大地の裂け目を水が落ちていくかのようなグトルフォスの滝、20メートル以上も噴き上がる間欠泉、まさに地球の誕生を垣間見た気がしました。また、北米と欧州を分ける岩盤の裂け目を歩きここでも神の存在を痛感しました。更に6月6日にはガラパゴス諸島に渡るため、5万トンある飛鳥Ⅱから2650トンのガラパゴス・レジェンド号に乗り換え、ガラパゴス諸島の島々へは10数名乗りのテンダーボートに乗りゾウガメや陸イグアナに遭遇し海イグアナの大群にもびっくりしました。飛鳥Ⅱの中では、北は北海道から南は沖縄にお住いの方々とお知り合いになったり親交を深め、各国の寄港地では現地の人々とのコミュニケーションで色々な習慣の違いを勉強しました。船の旅は西回りで行く場合は時差が少ないのが良い所です。時差が一日一時間進むので、毎晩寝る前に一時間ずつ時計の針を後進し、オプショナルツアーに行く時はボストンバッグ一つで出かけられるというのが高齢者向きです。