活動報告
卓話:演目「 かつぎや・壺算(つぼざん) 」の二席
落語家 三笑亭 小 夢 様
ゲストプロフィール
本名 三ツ橋 良紀(みつはし よしき)
生年月日 1971年1月25日
出身 神奈川県横須賀市(横須賀出身者として初の真打 2015年5月昇進)
所属 公益社団法人落語芸術協会(会長 桂歌丸)
師匠 三笑亭夢丸
経歴 県立横須賀高校~立教大学文学部日本文化学科卒 出版社に8年間勤務
28歳のとき出張先の飛行機の機内で落語に遭遇、以後のめりこむ。
1.
演目「かつぎや」あらすじ呉服屋の主人・五兵衛は極端にゲンをかつぐ習慣があった。
ある年のお正月、主人一家および奉公人一同が座敷に集まり、祝いの雑煮を囲んでいた。
主人は年始の挨拶客と持ってきた贈答品とをリストに整理するために、奉公人の定吉を呼んで挨拶状の読み上げを命じる。客の屋号と名前を全部読み上げると非効率なので、主人がそれをうまく省略するように言うと、権助は「湯屋の勘助」を「ゆかん(湯灌)」、「石屋の藤兵衛」を「せきとう(石塔)」などと言って主人を困らせる。番頭は機転を利かせて「鶴屋の亀吉」を「つるかめ」と略し、主人の機嫌を治す。
二日になると、「船屋」と呼ばれる、初夢のための縁起物である宝船の絵を売る行商人がやって来る。主人が値段を聞くと、船屋は「1枚4文(しもん)」と言う。「し」の字を嫌う主人は機嫌を損ねてしまう。番頭は主人の機嫌を取りたいあまり、外で別の船屋をつかまえ、「小遣いをやるから、うちの店で『1枚よもん』と言って売れ」と入れ知恵をする。「1枚いくらだい」「『よもん』でございます」「10枚なら?」「よじゅうもん」「100枚なら?」「よひゃくもん」。
機嫌をよくした主人は、絵を全部買い上げ、その船屋を座敷に上げておせちや酒をふるまう。船屋はおせちをほめ、主人の妻を弁天様、主人を恵比寿様、と持ち上げるので、主人はさらに上機嫌になって次々と祝儀を渡す。船屋が「この家には七福神がそろっておりますね」というので、
「おいおい。私が恵比寿で家内が弁天なら、まだ二福だよ」と主人が言うと
「扱う品物が呉服(五福)でございます」。
2.
演目「壺算(つぼざん)」あらすじ二荷入りの水がめを買いたい主人公の吉公。しかし、この男は「黙っていた方が利口に見える」とまで言われるドジ。
おかみさんに言われ、買い物上手と言う兄貴分の所へ協力を求めに訪れた。
そんな吉公の頼みを、快く引き受けた兄貴分。だが、瀬戸物屋を訪れた彼が目をつけたのはなぜか半分の一荷入りの水がめだった。
このかめの値段は、本来三円と五十銭だったのだが、兄貴分は瀬戸物屋を太鼓持ちも顔負けの口調でおだて上げて五十銭値引きさせてしまった。
そして、何度も文句を言いかける吉公を制し、兄貴分は一荷入りを買い求めて店を出てしまう。
吉公が「俺の買いたいのは二荷入りの壷」と文句を言うと、兄貴分は任せておけと言いなぜか瀬戸物屋へ引き返してしまった。
「実は手違いがあったんだよ。こいつの買いたかったのは二荷のかめなんだが、コイツが度忘れして一荷入りの水がめを買っちゃったんだ」
瀬戸物屋に二荷入りの値段を訊くと、「さっきの一荷入りが三円五十銭ですから、二荷入りは丁度倍の七円...あれ?」さっき五十銭値引きしたせいで、結局一円の開きが出てしまったのだ。
がっかりする瀬戸物屋に、さっきの一荷入りを元値の三円で下取りさせる兄貴分。
「さっきの一荷入りを下取って三円、最初に渡した三円を足して六円」と言い、二荷入りを持って出て行こうとした。
何かおかしいと思い、慌てて呼び止める瀬戸物屋。それに対して兄貴分はさっきと同じ話を繰り返した。
また慌てて呼び止める瀬戸物屋、とうとう堪忍袋の緒が切れた風を装い、兄貴分は「算盤使って確かめてみろ!」と一喝。
言われたとおりに勘定してみると、確かに計算はあっているのだが手元を見るとやはり三円足りない。
とうとうパニックになった瀬戸物屋が「一荷入りも持って行ってください」。
兄貴分が「二つもいらないんだ」と言うと、瀬戸物屋が大きな声で一言。
「お金も返すから!」
以上2つの演目を横須賀ロータリークラブ版にアレンジを加え、お噺いただきました。