<卓話>3D Surveyplus合同会社
代表執行役員 堂城川 厚 様
【プロフィール】
1968年生
横須賀市立工業高校 機械科卒業
慶応義塾大学通信教育課程 経済学部卒業
15年間 大手プラント設計 会社勤務
2006年 スリーディー サーベイプラスを創業
2008年 法人として画像処理会社/3DSurveyplus合同会社設立
2009年 横須賀市創業オーディション入選
2011年 三浦半島、横須賀市を全国に紹介したいという思いから3Dバーチャルマップで楽しむエリア別
情報検索サイト「タウンマッパープラス」を開発し 横須賀市ビジネスオーディション入選国内
では数少ない三次元レーザースキャナ、3D画像処理技術者として活躍、日立、東芝、IHI、 三菱重工、日揮、東電設計などの大手プラントメーカーへのデータとノウハウ提供を行っている。
また現在、福島第一原発、東海第二原発等の3D画像処理を受注担当。
2012年 360°パノラマ避難シミュレーション「バーチャルエスケープ・プラス」を発表。読売新聞と
日本経済新聞に掲載される。
閉鎖された特殊な環境だけで利用されている技術をもっと身近な事に役立てたい。具体的には
地域活性化や防災に役立てたらと考えている。
只今ご紹介いただきました、3D Surveyplus合同会社 堂城川 厚でございます。皆様の貴重なお時間を30分程いただいてお話をさせて頂きます。
ご紹介いただいた通り、現在福島第一原発に於いて、災害復興支援のための作業をさせて頂いております。私は、プロフィールにもございましたが、もともとプラント設計技術者として15年ほど働いてきました。福島第一原発へは常磐道を通って行くのですが、現在は広野と云うインターチェンジで降りて現地に向かいます。まず先に向かうのはJビレッジと云う施設で、ここは東京電力さんがサッカーの振興を目的として造られた施設なのですが、現在は福島第一原発や福島第二原発の作業の前線基地となっております。私自身は実際のところ、たまたま特殊な撮影技術があって、その技術が必要で声をかけて頂いて、現地で作業をしているのであって、原発反対or賛成かと問われても、どちらとも言えず答えを出す事が出来ません。今回被災地、さらに避難区域から福島第一原子炉建屋内にまで入りましたが、私は傍観者ではなく業務として関わっている当事者としての立場であっても、その答えに変わりはありません。
震災直後の2011年4月、原子力プラントメーカーから「原子炉建屋の内部状況を把握する方法を提案して欲しい」という要請を受け、同年7月から建屋内部の3D画像撮影を担当することになり現在に至っています。横須賀市からは自衛隊、警察、医療従事者をはじめ、建設関係やボランティアの方々が現地に赴き活動されているが、私もその中の一人に過ぎません。
福島第一原発に向かうため避難指示の20キロ圏内に入ると、見渡す限り人がまったくいない街並みに驚かされました。人類が突如消滅したそんな世界をSF映画で見た事があるが、そんな世界が広がっていました。昨年は8回程この圏内に立ち入ったが、日本各地の警察の方たちが、警戒区域を24時間体制で警備するために集まっておりました。それにもかかわらず、行く度に新しい空き巣被害現場を目撃することとなり、胸が締め付けられる思いをしました。
東電のスポーツ施設 Jビレッジは、現在も原発の事故収束にあたる作業員が、装備を整える最前線基地になっていまして、食事や装備はビュッフェのようなスタイルで配置され、各作業員が受け取るようになっており、受け取った後にお互いの装備の確認をおこないます。現場までは約20キロほどあり、車ですと1時間ほどの距離をこの装備を付けたまま移動します。
(ご自身の放射能鑑定書なる記録手帳を示しながら)
基本的に各作業員は放射線防護教育という国の定めた講習を定期的に受講し、放射線に対する正しい知識を持って業務に従事しています。
しかし、報道の方々が知識ないまま取材にあたっている姿(具体的には防護服のファスナーが閉じきれていなかったり、マスクがゆるく装着されている状態)を見て、彼らの危険認識の甘さを感じてしまいました。テレビ等で見かけた避難住民の方たちの一時帰宅の際にも同様の姿があり、知らないという事が作業従事者以上の危険にさらされていると心配してしまいます。
実際の現場での作業は、スライドのような場所で、様々な特殊撮影をおこない調査を行っております。
私どもの会社の仕事は特殊な仕事ではありますが、横須賀という街に会社を構えておりますので、是非少しでも地域の皆さんのお役にたてればと考えておりますので、これからもよろしくお願いいたします。