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<卓話>横須賀海上保安部の業務概要

10月18日 第3037回

<卓話>横須賀海上保安部の業務概要

                             海上保安庁横須賀海上保安部

                             横須賀海上保安部長 井 上 雅 英 様

2013101801.jpg横須賀海上保安部長の井上と申します。この度は、海上保安庁について皆様に話をする機会を頂き心より感謝申し上げます。海上保安庁は、簡単に申しますと、海における警察と消防を合わせたような組織であり、海上における治安の維持や海難救助、海上交通の安全確保、海上防災、海洋環境の保全など多岐にわたる業務を行っています。最近では、映画「海猿」のヒットなどにより、多少はその存在を知られるようになりましたが、どのような仕事を行っているかについては、活動の場が海上であるだけに、船乗りなど海に関する職業の方を除けばなかなか分かりにくいというのが実状のようでございます。本日は、まず、海上保安庁の全体について説明し、次に横須賀海上保安部の業務の特徴を、最後に、尖閣諸島関係の体制強化について少し説明をさせていただきます。

1.海上保安庁について

 我が国の領海と排他的経済水域を合わせた面積は447万㎢であり国土の12倍に及びます。このように広大な海域における安全の確保を図ることが海上保安庁の任務であり、具体的には、密輸・密航など犯罪の取締りやテロ対策などの「治安の確保」、海洋権益の保全や不審船への対応などの「国境警備」、船舶の事故や海浜事故から国民の命や財産を救う「海難救助」、ナホトカ号の事故のような大量の油流出災害の防除活動や地震・津波など自然災害発生時の救援活動を行う「海上防災」、海図作成等のために我が国周辺海域の調査を行う「海洋調査」、船舶の事故を防ぐための交通ルールを定めたり海の道標である灯台などを維持管理したりする「海上交通の安全確保」などの業務を行っています。

これらの業務を行うための組織として、全国を11の管区に分け、「海上保安本部」を置いて管区内の業務を統括させ、さらに、概ね一つの県に一つの「海上保安部」を置いて所属する巡視船・巡視艇を運用して地域の海の安全確保に当たっています。

ちなみに、業務を行うための巡視船・巡視艇等の船艇は443隻、航空機は73機(H25年4月現在)保有しており、人員は12,689名(H24年度末。神奈川県警の約3/4)、予算はH25年度当初で1,765億円です。ちなみに、予算を日本の人口で割ると一人当たり約1,400円。少し高めのランチの予算で如何にしてより良いサービスを提供できるか、頑張っております。

2.横須賀海上保安部の業務の特徴について

 横須賀海上保安部は横須賀市から湯河原町までの8市5町を管轄し、水域は浦賀水道など東京湾の入り口から相模湾を担当しています。管轄していないのは横浜・川崎の2市ですので、神奈川県の海の大部分は当保安部が担当しています。

 当保安部の管内には、米海軍の基地や火力発電所などテロ警戒の対象施設があることから、巡視船艇により監視警戒を行っています。また、海上自衛隊の基地も集中し、過去に自衛隊の活動に対する抗議活動等もあったことから、関係機関と連携しながら、不測の事態が起きないよう適切に警戒を行っています。

次に、横須賀市の前面にある浦賀水道は、我が国の経済活動を支える海の大動脈であり、大小様々な船舶が一日400隻~500隻通航し、製品や原材料などが大量に運ばれています。その内の100隻はタンカーであり、原油やLNGなどの危険物も大量に運ばれていることが分かります。このため、この海域で船舶の衝突などの事故が発生した場合には、事故船舶の火災や大量の油の排出による被害だけでなく、通航が制限された場合には我が国の経済そのものに甚大な影響を及ぼす恐れがあります。したがって、この海域の海上交通の安全確保は極めて重要であり、海上保安庁では観音埼に海上交通センターを設けて浦賀水道航路の通航船舶の動静を監視し、無線等により指導を行うなどして事故の防止を図っています。当保安部の巡視船艇も、浦賀水道航路のパトロールを行い海上交通センターと連携して安全指導を行うとともに、事故に繋がりかねない航路内の反航などの海上交通法規の違反を取り締まり、安全の確保に努めています。

また、三浦半島及び湘南海岸はマリンレジャーが大変盛んな地域です。今年、海水浴だけでも700万人を超える人々が訪れており、サーフィンやウィンドサーフィン、ダイビング、釣り、ヨット、モーターボートなど様々なレジャーを楽しむため、関東一円から多くの人々が訪れています。これに伴う船舶の海難や海浜事故も多く発生しており、その未然防止と救難体制の確保が重要です。レジャーを楽しむ人は組織化されていないため、回り道のようであっても、現場で事故防止を呼び掛けることが着実な方法であり、船を訪れたり、海岸を歩いて回ったり、ショップを訪れたりして、地道な安全指導を行っています。また、事故が発生した場合に備え、神奈川県水難救済会など民間救助団体との連携を強化して速やかな救助に努めています。

3.海上保安庁の体制強化について(尖閣諸島関係)

 最後に、我が国周辺海域を巡る情勢の緊迫化を踏まえた体制の強化について、少し触れたいと思います。昨年の魚釣島の国有化後、中国公船が尖閣諸島周辺海域を常態的に徘徊しています。海上保安庁では、全国から巡視船艇を派遣して対応に当たらせていますが、中国公船に適切に対応するため、大型巡視船による専従体制を確立することが急務となっています。

このため、大型巡視船の増強や要員の確保等について緊急に整備を図ることとし、船の建造を行っているほか、25年度には400人の増員が認められました。今後とも、必要な体制の整備を進め、27年度末を目標に、大型巡視船14隻相当の専従体制を確立することとしています。

以上ご説明したとおり、海上保安庁では、海の安全を守るため、様々な業務を行っています。今後とも、神奈川県の海の安全・安心を守るため、しっかりと取り組んで参りますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

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