活動報告

​<新会員卓話 1>竹田大士会員

<新会員卓話 1>竹 田 大 士 会員
20160513.jpg 昨年10月に石田様のご紹介でロータリーに入会させていただきました大和証券の竹田でございます。見ての通りまだまだ若輩でございますのでご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。入会して間もないころ年末に野村証券の門井さんの卓話を拝見いたしまして、証券会社の支店長が卓話をすると株価が下がるとお聞きいたしました。たしかに大きく下がりましたね。こんな状況で私が卓話なんかしても良いのかと日本経済の致命傷になるのではないかと大いに悩みましたが、新会員卓話としてお話させていただきます。
私はこの横須賀に赴任する前、半年ほど本社に勤務しておりましたが、その前は札幌に6年半おりました。単身赴任でございましたので、'すすきの'の夜のパトロールも大変楽しく、話も尽きないのですが、ここでお話しするようなお話ではないので残念ですが割愛させていただきます。私が北海道で覚えた趣味の一つにフライフィッシングというものがあります。今日はそのフライフィッシングについてお話させていただきたいと思います。
 そもそもフライフィッシングとは何かという話からいたしますが、虫に似せたフライという疑似餌を釣り糸に付け、釣り糸の重さを利用して疑似餌を飛ばし、疑似餌をフライと呼びますが、餌と勘違いさせて魚を釣る手法のことをいいます。ブラッド・ピッドが主演したリバーランズスルーイットという映画でご覧なられた方も多いのではないでしょうか。
 私は主に山奥の渓流でやっていたのですが、そのフライフィッシング、なかなか難しいのです。ただ普通にフライを川に流すだけでは魚を騙すことはできません。川にも流れが速いところ、遅いところと流れの速さがまちまちなので、普通に流すだけだと釣り糸が流されてフライが不自然な流れ方になってしまい、魚に偽物だとばれてしまうのです。魚が隠れているであろう場所を想定し、そこに自然な流れ方でフライが流れ込むように投げないといけないのです。その際に重要なことは頭の中でイメージし、頭の中でトレーニングすることです。魚が川のどこにいるのか。川の流れ方はどうなっているのか。地形はどうなっているのか。どこにフライを着水させ、どのようにフライを流せば魚が喰いついてくるのかを頭の中でイメージし、トレーニングするのです。第1投がすべてです。2投目からは警戒されて大きい魚はかかりません。ですから十分イメージトレーニングで準備してから実践するのです。イメージ通りフライを流すことができれば、バクンと大きな口で魚がフライに喰いついてきてくれます。自分のイメージと現実が一致すると魚が釣れる。これがフライフィッシングの醍醐味なのだと思います。その自分のイメージと現実が一致する点からいえば、私の仕事、証券業も通ずるところがあり、ずいぶんと役に立ったなあと思うわけでございます。
 ここでフライフィッシングのエピソードをお話したいと思います。私が主に釣っていたのはニジマスです。イトウやイワナも釣りましたがニジマスのほうが数倍面白い。なぜかと申しますと釣れた時の魚の引きが全く違うのです。ニジマスはもともと日本に昔からいた魚ではなくて外来種です。北海道のニジマスは戦後食糧難の時代に養殖のために持ち込まれたものや、米軍の将校がゲームフィッシングのために空輸して、ヘリコプターから湖にばら撒いたのが始まりといわれております。日本古来のイワナやイトウは釣られた時しばらくは釣られまいと粘るのですが、すぐに「負けました」とずるずる糸に引きずられ潔く釣られますが、外人さんのニジマスは違います。どこまでもどこまでも逃げまくりますし、暴れまくります。魚の世界でも日本人と外人の違いがあって面白いと思うのですが、釣る方としては暴れてくれた方が楽しいのでニジマスをメインで釣りを行っていました。しかし私、初めて間もない素人です。その辺の有名な川でやっていても全く釣れません。何回も釣られたことがある魚は知恵を付けて、私のような素人が投げるフライに全く騙されてくれなくなるのです。しかしそこは自然の宝庫北海道!山の奥地の川まで行けば人間の存在を知らない魚が一杯います。多少おかしな流し方をしても何の警戒感もなくパクンとフライに食いついてきてくれます。そこで私は電動自転車を1台買ってどんどん山の奥地の渓流を目指すようになったのですが、そこで恐ろしい体験を何度か経験いたしました。感のよろしい方はお気づきかもしれませんが、北海道の山には人間の天敵ヒグマがいるのです。ちなみにヒグマのことを北海道では山親爺と呼びます。単なる豆知識です。真夏のある時のことです。場所は十勝から大雪山の中間に位置する川でいつもはだいたい釣り仲間2,3人で山に入ることが多いのですが、その日に限って皆仕事で都合が悪く、私一人で山に入ることになりました。最初独りだとさみしいなあなど思いながら釣りしていたのですが、だんだん慣れてきて川の下流から上流まで順調に釣りあがりながら歩いていた時です。ある茂みまで来たとたん突然全身に恐ろしい寒気を感じ、体中にゾゾゾと全身に鳥肌が立ちました。時期は真夏でしたので寒いはずはなく、「ああっ、いるんだな」と頭を過った後、林の中からこの世のものとは思えないようなグオオオという地響きのような唸り声が聞こえました。「ああっ山親爺さんいるのね」とそこから一目散に引き返し、難を逃れたわけです。実際ヒグマを見たわけではないのでヒグマかどうかはわかりませんが、まあヒグマだと確認できていたら今現在ここにはいませんけど、ここまで恐怖を感じさせるのはヒグマ以外にないと私は確信しております。またこういった危機を事前に察知できるとは現代人とはいえ、人間も動物なんだなあとしみじみ感じたエピソードでございます。
そういった恐ろしい体験を何度か経験しましたが、私未だ無傷でこうして元気に過ごしております。ヒグマに襲われず無傷であったのは私にいまだやり残した天命があるのかなと感じている次第です。その天命はなにかと現在考えますとこの横須賀の皆様に証券業を通じて奉仕することではないかと考えております。大和証券は昨年12月にザ・タワー横須賀に移転させていただきました。非常にきれいな店舗で皆様をお待ちしております。私の天命、皆様への奉仕を全うさせていただければと存じます。
 大分時間があまりましたので証券会社の支店長らしく相場の話をひとつ。私が個人的に買いだなあと思っている株はインド株です。昨年1年間下げ続け、調整を続けたインド株ですが、ようやく底打ちの兆しが出てきております。その要因が原油安です。インドは原油をほとんど輸入に頼っており、100ドルを超える原油価格はインド経済に双子の赤字をもたらせていました。現在その原油価格が半分の50ドル以下になったことにより、インフレ懸念がなくなり金融緩和できる状況にあります。新興国で中国が脱落したことにより7%成長を続ける国はインドしかなくなっております。7%成長を持続する要因は平均年齢の若さです。日本の平均年齢は45歳、お隣中国は34歳、インドは25歳と人口動態論的にこれからがピークを迎えます。IMFの見通しでは2020年まで7%成長を続ける見通しとなっております。そこで私が最大のポイントだと思っていることは、今年インドに雨がふるという予想になっていることです。ここ数年インドでは6月からの雨季に雨が降っていません。現在も猛烈な熱波に襲われていますが今年は雨が降るとのことです。うちのインドの社長が言っていました。インド人の80%は農民です。原油安で苦しい生活状況が解消され、雨が降って農作物が豊作となればインド中がわきあがるとこれもうちのインドの社長が言っていました。 1年間下げ続けた後の7%と高成長を続ける国の株式を底値で買うチャンスだと思います。
つたない話で恐縮ですが私の新会員卓話とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
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