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<卓話> 「 プロトコール雑学入門 」


<卓    話>        プロトコール雑学入門
                     株式会社 帝国ホテル プロトコール 山 本 一 郎 様
  
20120727.jpg どうぞ宜しくお願いいたします。山本と申します。元上司の三田村部長に過大なる紹介をいただきました。今日は難しいお話をするのではなく、なるべく砕けたというか、皆様の興味を持っていただけるようなお話をさせていただきたいと思います。
 レジメをごらん頂きたいのですが、書いてあることは結構難しいことを書いてしまいました。学校の講師に行ったときに使うネタを書いてしまいましたので、良かったのかなと迷っておるところでございます。学校の生徒さんには教養としての知識ということでお話をしてきたのですが、今日の皆様方のお顔を拝見して本当に横須賀を支えていらっしゃるVIPの方々にこのお話が本当にいいのかなとは思っておりますが、本当の意味の雑学としてお聞きいただければと思います。お話をしながら途中でいろいろ挟んでいきます。
まず最初にプロトコールとは何かと云うことですが、それは国家間の儀礼上のルールと定義づけていただければいいと思います。国家間の儀礼上のルールとは何かというと、ASEANの首脳会議がカンボジアで開催された時にテーブルがぐるっとあり各国の首相や外務大臣が並ぶようなときは一定のルールを作って行わないと物事うまく進みません。大きい国も小さい国も同じ扱いをしなければならないということです。ですからプロトコールというのは国家間の儀礼上のルールとご承知おき下さい。
 プロトコールの原則は、同格者を平等に遇することと弱者と強者を差別しないということです。具体的には、右手上位・ABC順・着任順とか物事をスムーズに進める方策があります。右手上位というのは、みなさんからご覧になって右手にいる方が上位者です。こういったルールとしてございます。テレビ等でもゲストが右、ホストが左に座っていると思います。ABC順というのは国連方式ともいわれ一番並べ易いやり方でアルファベット順に並んでいれば特に誰も文句は言わないということです。もう一つ一番分かりにくいのですが着任順というのがあります。たとえば王様が3人いたとすると席順は王位着任順で年齢は関係ありません。プロトコールの優先順位とはそういうものです。国際ルールとしては一般的なことです。
 国旗掲揚のルールも2本の場合、3本の場合とケースによって変わってきます。例えば、2国の場合は皆様からご覧になると左手側、私側からみると右手側に上位の旗を立てることになっております。記者会見や官邸の場合もそのようになっております。3カ国の場合は日本が真ん中に立っております。4カ国になりますとABC順に並べていくのが一般的な形です。多いときは何十カ国も並べるときはABC順に並べます。これは国連方式とも外務省方式ともいわれます。国旗の話になったところで雑学としてお聞きいただきたいのですが、日本の国旗の縦横比率は国連方式でいきますと旗は、横3:縦2です。ただそうではない国がいっぱいあり東ティモールは横2:縦1。バーレーンのようなギザギザのもあり比率は横5:縦3です。万国旗のように並べるときはある程度そろえてしまいます。
 旗はホテルでも常に購入していましたが、旗はしょっちゅう変わります。政権が変わると特にイスラム教圏は勝手に変わります。バーレーンの国旗のギザギザは5個あるのですが、2002年までは2個しかなく、新任の大使が来て宴会をしてくれたときに前の旗を掲げてしまい大変おこられました。よく調べたら現在の5個になっておりそれから非常に気にするようになりました。でも実は最近またやらかしまして、天地逆にしてしまいました。普通は上下印をつけてあるのですが・・・。怒る側も大使ぐらいならいいのですが、その上の大臣に怒られた経験もあります。ですからプロトコールの上では、旗に対しては敏感で非常に気をつけるようにしております。
 駐日各国大使の序列も着任順です。どこでも在任期間の長いほうが上位者です。企業でもそうだと思います。日本でプロトコール上での最上位者は誰だと思いますか。日本の国家元首は未だに大日本帝国のままで天皇陛下です。天皇陛下を基準に日本のプロトコールはみたてております。国賓とは何かというと、訪日各国首脳の来日スキーム名のひとつで、国賓・公賓・公式実務訪問賓客・実務訪問賓客ということで、主に日本に来られる各国首脳はこの4つのスキームの組み立てのレベルで来日しております。各テーブルにお配りしました、去年一年間に帝国ホテルにお越しになったVIPのリストで全てではないのですがお写真があるのでご覧下さい。写真左上のジョージ・トゥポウ5世国王は非常に仲良くしていただいておりましたが、今年御逝去されました。残念でしたが独身だったことがびっくりでした。ベニグノ・アキノさんも独身でした。国賓・公賓・公式実務訪問賓客・実務訪問賓客は何が違うかというと日本国としての予算が違います。国賓は基本的には、天皇陛下のお客様です。国の国家元首しか国賓にはなれません。チャールズ皇太子は公賓です。今一番多いのは公式実務訪問賓客ですが、公式実務訪問賓客までですと日比谷通りとか国会議事堂あたりに両国旗が立ちます。それ以下ですとありません。ですからここが大きな分かれ目で、実務訪問賓客はホテル代ぐらいを国で出す程度です。国賓・公賓ですと非常にお金をかけますので、たとえばハイヤーもセンチュリーが20~30台並ぶのですが、ナンバーが全部無くなりSとかPとか1とか2とかになります。迎賓館には誰が泊まれるのというと内閣府の管轄ですので、国会・政府・裁判所が使えます。実際に使っているのは主に外国の賓客です。最近はオリンピック招致委員会が突然使ったり、臨時で使うケースも増えております。日本の首相が外遊すると何室ぐらい使うかというと本体+プレス+警備で150部屋ぐらいになります。非常にいいビジネスになりますので、突然のキャンセルで減ったりはしますが、各国にとっては首相が行くことがビジネスになります。日本で警護対象となっているのは、皇族・内閣(首相・大臣)ですが、皇族を警護するのが警衛でそれ以外のVIPをお守りするのが警護です。警視庁ですと規模も大きいので警備部警衛課と警備部警護課に分かれています。順序でいくと警視庁の中では警衛課長が一番課長の中では格が高く、つぎに警察署長を任命するようです。県警は警護と警備が一緒になっております。皇居にはどうしたら入れるかというと東御苑は一般公開されておりますので是非ご覧になって下さい。お客様を先導するときには左前方を進むのは、右手上位の原則と一緒です。お客さまがせっかちですと難しいです。例で上げると阿部元総理はほとんど走っているようですのでよく抜かれます。シークレットですがVIPの会話もよく聞こえます。陛下や宮様に声をかけられたらどうするかということで、我々が一番苦労するところで部下にも勉強しておけと云っているのですが、当日のVIPの宿泊や重要会議は承知しておくことと、他ホテルの元首や首相等の宿泊VIPも承知しておくということで、宮様はいろいろな名誉総裁をされているので、会う要人が泊まっているかと聞かれることがあるので答えられるようにしておく必要があります。私は常陸宮の華子様によく話しかけられました。警護対象の車のドアは誰が開けるかというと、皇族は側衛官(皇宮警察)、外国の要人はSP、日本の首相や大臣はSP、いずれも臨機応変・例外ありです。国によっては若い皇太子は自分で降りたり助手席に乗っていたりしてびっくりしたこともあります。天皇皇后両陛下は、降りるときは皇后陛下が先で乗る時は天皇陛下が先です。他の皇族では例外もあります。元気のよい秋篠宮様は佳子ちゃんとバラバラに降りてきてちょっと困ったこともあります。何事も経験で対処するしかありません。
 今日は雑学と云うことでお話をさせて頂きましたが、またどうぞ宜しくお願いいたします。
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