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<卓話> いくつもの壁にぶつかりながら、子供が売られる問題への挑戦

<卓話> いくつもの壁にぶつかりながら、子供が売られる問題への挑戦

特定非営利活動法人 かものはしプロジェクト
共同代表 村 田 早耶香 様

皆様はじめまして。かものはしプロジェクト共同代表の村田早耶香と申します。ロータリークラブ様には私共は大変お世話になっておりまして、数年前の地区大会でお話をさせていただき、今回も含めて60回以上の卓話をさせていただいております。私共は、皆さんのお子さんやお孫さんぐらいの年齢の子供たちが、途上国で「だまされて売られる」問題をなくすために活動しております。本日はカンボジアの状況と、「かものはしプロジェクト」の活動の紹介をしたいと思います。
この活動は、私が19歳のときに児童買春の問題と出会ったことが始まりとなります。大学2年生のときの大学の授業の中で子どもが売られる問題について初めて知りました。その話は東南アジアに住む15歳の女の子が貧しさのため、だまされて出稼ぎに出、強制的に売られ感染症にかかり亡くなったという話でした。その子が亡くなる間際に「学校へ行って勉強してみたかった」と言って亡くなったそうです。彼女と私との違いは生まれた場所が違うということだけであり、それだけで未来を選べずに苦しんでいる人が世界にはいるという事実を知り、私は自分の目で確かめるため現地に行ってみようと思いました。19歳の夏休みに私は初めて発展途上国に足を踏み入れました。滞在中、私は児童買春の被害者を保護している施設を訪問しました。施設の庭で5歳くらいの子どもが遊んでいるのを目にし、私はてっきり施設の職員の方の子どもだろうと思いました。しかし、あとで職員の方からそこにいた子どもはすべて被害者であったということを伺い、幼い子どもを含む多くの被害者がいる事実に衝撃を受け、何とかこの状況を変えたいと感じました。
私は帰国して自分にできることを探し、世界各国の児童買春問題について書かれた本を片っ端から読みあさっていきました。そして2001年、私が途上国へ行ったちょうどその年に第二回「児童の性的搾取に反対する世界大会」が横浜で開催されようとしていました。そこでは、日本をはじめとする世界各国の子どもと若者を招待して、参加させるプロジェクトがあり、この会議の正式な参加者になると、自国の外務大臣や法務大臣に自分たちの訴えを聞いてもらえることも知り、会議に若者の代表として参加しました。寝る間を惜しんで勉強し、会議参加者と話し合い最終文書を作りました。この文書は後に国連の正式な文書となり、世界中の人たちが見られるようになりました。しかし、会議を終えてみると、国内行動計画を作る約束などの具体的な期限は決まっておらず、問題自体の解決に本当に役に立っているのか分からない釈然とした思いに悩まされ、自分でやるしかないのではないかと思い始めました。
そんなとき、自分の人生の転機になる仲間との出会いがありました。そこでこの仲間たちから「社会的起業」という、社会問題を事業的に解決する起業方法を教えてもらったのです。そして、私はこの仲間と共に大学3年生の2002年に「かものはしプロジェクト」を発足しました。その後のリサーチでやはりカンボジアの状況がひどいということがわかり、カンボジアで職業訓練を提供する事業を作っていきました。
大学卒業後の活動の継続については、親に理解してもらえず、一時期悩んだこともありました。もう一度カンボジアへ行き、被害者を保護している施設で、親の借金のために1万円か2万円で売られた6歳の子供と出会い、別れ際に泣いて別れを惜しまれる経験をし、帰国後この社会をどうしても変えたいと思い活動の継続を決断しました。今では現地で100名近い女性が働く工房を経営して、この地域からは被害者が出ないようにサポートしています。
 「かものはしプロジェクト」は、子どもが売られないように活動しているNPOです。2002年に団体を立ち上げ、2011年で10年目になります。児童労働の中でも、特に子どもの心と体を傷つけるこの問題は最悪の児童労働と言われています。私たちは、ただ支援をするだけではなく、事業として持続的・発展的に子どもたちを守っていかなければならないと考えています。
では、どうしたらこの問題を実際に解決できるのかですが、被害者を減らすには需要である「買う人」を減らすこと、そして供給されてくる「貧しい家庭の女性たちの数」を減らすことが必要です。そのために農村で工房を経営しています。農村では農業以外に仕事がないのですが、貧しい家庭ほど土地を持っていないので、ほとんどの家庭で家族を出稼ぎに出しています。貧しい家庭から、女性を雇用して雑貨を作り観光客に販売します。観光客は増加していて年間250万人以上が来ますが、おみやげは6割がタイとかベトナムから輸入しています。その分を農村で作って販売できれば農村に仕事が作れ、収入を得て賃金を払えます。5人の家庭では1ヶ月に3千円あれば何とか生活できますので、3千円以上の収入を手にして子供たちは学校に行くことができます。また、定期収入を得て、銀行からお金を借りて、弟を大学に行かせることができた例もあります。大学進学率が5%ぐらいですから、農村から進学者は少なく、村から初めての大学進学者がでました。ただ、この工房は一点だけ具合が悪い点があって、それは15歳未満の子供を労働法で雇用することができない点です。そのような子供たちは孤児院で保護をしています。
また、買う人をなくす取り組みとして、警察支援をおこなっています。法律はありますが、警察官が法律を理解する研修やプログラムがないので、UNICEFとカンボジア政府と協力し、資金を出して警察へのトレニーングをおこない、能力強化をしています。加害者や売春宿の摘発件数は着実に上がり、逮捕者数が9年で9倍になりました。こうした取り組みにより、カンボジアでは、被害者が出にくい状況になってきていまして、もう少しでこの問題をカンボジアではなくすことができます。完全になくすために皆さんのお力をお借りしたいと思います。物価が安いので、1日30円の支援で二人の警察官を教育することができ、1日100円あれば一人の女性が職業訓練を受けることができます。日本で集めたお金で人の人生を変えることができるので、月々千円で応援してくださるサポーター会員になっていただくことをお願いいたします。なるべく多くの方にご助言をいただきたいと思います。会員さんは資金を出して、口も出す株主さんのような会員ですので、ぜひ私たちの株主になってくださいますようお願いいたします。
活動に興味を持って下さった方は、毎月第2木曜日に渋谷の事務所で活動説明会を行っておりますので、是非ご参加ください。本日はご静聴ありがとうございました。
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